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体外受精・顕微授精をお考えの方へ

卵管が閉塞している場合や抗精子抗体がある場合は体外受精、精子が極端に少ない場合や受精障害がある場合は顕微授精が適応となります。
しかし、不妊でお悩みの方の多くは、検査ではどこも悪くないのに、何度人工授精 (AIH)をしてもなかなか妊娠に至らない原因不明不妊です。一般的に、人工授精を6回程度行っても妊娠しない場合は、体外受精へのステップアップを考えます。
年齢や治療歴によっては、早めにステップアップした方がよい場合もありますので、気になる方は一度医師にご相談ください。

特定不妊治療助成金について

当院は特定不妊治療費助成事業の指定医療機関です。
当院で行った体外受精・顕微授精・融解胚移植で市や県からの助成金が受けられます。対象者や助成額に関してはお住まいの地域の保健所や保健福祉センター、ホームページ等で確認してください。

体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植の流れ

卵巣刺激

通常の月経 (自然周期)では、左右どちらかの卵巣で1個の卵胞 (卵子が入った袋) が大きくなっていき、月経14日前後で袋が破れて1個の卵子が排卵されます。一方、体外受精では複数の卵子を得るために、排卵誘発剤を使用して複数の卵胞を発育させます。これを卵巣刺激といい、当院では主に下記の方法を行っています。どの方法を行うかは、患者様のご希望を伺いつつ、ご年齢やホルモン値、治療歴に応じて決めていきます。

クロミフェン
(+ hMG)法
月経3日目からクロミフェンを5日間内服していただきます。卵胞発育の状態によっては、hMGの注射を数回追加する場合があります。卵胞が約18mmまで発育したら、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。
GnRHアゴニスト
ショート法
月経3日目以内に点鼻薬 (GnRHアゴニスト)を開始します。点鼻薬には、卵胞発育効果および発育した卵胞の排卵抑制効果があります。hMGの注射を月経3日目頃より開始し、経腟超音波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約18mmまで発育したら点鼻薬の使用を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。
GnRHアンタゴニスト法
月経3日目頃よりhMGの注射を開始し、経腟超音波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約14mmを越えた時点で、ガニレスト (GnRHアンタゴニスト)の注射を併用します。ガニレストには、発育した卵胞の排卵抑制効果があります。卵胞が約18mmまで発育したらガニレストの注射を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。
PPOS法
(Progestin Primed Ovarian Stimulation)
月経3日目以内に黄体ホルモン剤を飲み始めます。黄体ホルモンには発育した卵胞の排卵抑制効果があります。hMGの注射を月経3日目頃黄体より開始し、経腟超音 波で卵胞発育の状態を確認しながら連日注射を行います。卵胞が約18mmまで発育したら黄体ホルモン剤を中止し、卵子の成熟を促すhCGの注射を行います。この方 法で卵巣刺激を行った場合は新鮮胚移植はできません。

採卵

卵子の成熟を促すhCGの注射を打ってから35時間後に採卵を行います。超音波プローブにつけた長い針で卵胞を穿刺し、卵子を採取します。採卵個数が少ない場合は無麻酔で、複数個採卵する場合は静脈麻酔を使用します。
ご主人には、採卵当日に自宅で採精し検体を持参頂くか、当院の採精室で採精して頂きます。ご主人の予定が合わない場合は、採卵前日までに精子を凍結保存しておくことも可能です。

受精

採卵した卵子は、体外受精または顕微授精によって受精させます。複数個採卵できた場合は、体外受精と顕微授精を半分ずつ行うことも可能です。

体外受精
運動性の良い精子を一定濃度に調整し、シャーレ内で卵子と出会わせます。
顕微授精
運動性と形態がよい精子を顕微鏡下で選び、細いガラス管で卵子に注入し受精させます。

培養

採卵翌日に受精判定を行います。受精した胚は専用の培養液で、体内と似た環境にて大切に培養します。受精後は最大6日間培養を行い、その間に胚移植や凍結保存を行います。どの段階で胚移植や凍結保存を行うかは、患者様のご希望を伺いつつ、ご年齢や治療歴、胚の状態によって決めていきます。

胚移植

胚を細いチューブに入れ、子宮の中に戻します。胚移植では麻酔は使用しません。
移植胚の個数については、日本産婦人科学会の見解で『移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する』とあるため、当院でも1個または2個とさせて頂いております。
胚移植後は、子宮内膜を育て着床率を高めるために黄体ホルモンの補充を行います。

妊娠判定

胚移植から約2週間後に、尿および血液検査にて妊娠判定を行います。

胚凍結および融解胚移植

採卵後、移植胚以外に良好胚がある場合は、胚を凍結保存します。
これにより妊娠のチャンスを増やすことができ、二人目以降の妊娠希望時に融解して移植することもできます。また、採卵後に卵巣が腫れている場合や子宮内膜が薄い場合は、胚移植に適さないため、移植をキャンセルし、一旦全ての胚を凍結保存します。胚は凍結保護剤で処理し、-196℃の液体窒素内で保存します。
次の月経周期で凍結胚を融解し移植します。当院では「ホルモン補充周期」で融解胚移植を行っています。月経2日目から子宮内膜を厚くするために卵胞ホルモン剤を使用します。
子宮内膜が充分厚くなったところで、黄体ホルモン剤を開始します。凍結している胚が受精後3日目の胚であった場合は、黄体ホルモン剤投与開始から3日目に胚を融解し、移植します。

その他

孵化補助 (アシステッドハッチング :AHA)
胚の周りにある透明帯と呼ばれる柔らかい膜を、人工的に薄くしたり穴をあけたりして、胚が着床しやすい状態にします。
料金
30,000円 (税込)
SEET法
胚盤胞を凍結する時に培養液も一緒に凍結しておきます。融解胚移植をする際、Day2にその培養液を子宮に入れ、Day5に融解した胚を移植する方法です。
胚からの伝達物質を含む培養液を子宮に入れることで、子宮内膜が刺激され、着床率が上がるといわれています。
料金
30,000円 (税込)
ST法
普通の培養液をDay2に子宮に入れ、Day5で胚盤胞移植をする方法です。この方法でも妊娠率が上がるとの報告があります。
料金
3,000円 (税込)
ERA(子宮内膜着床能検査)
胚移植をする時期の子宮内膜組織を採取し、その遺伝子発現を調べることで、子宮内膜が着床にいちばん適している時期を判定する検査です。
同時に子宮内膜細菌検査(EMMA)、感染性慢性子宮内膜炎検査(ALICE)を行うこともできます。
料金
ERAのみ 135,000円 (税込) [再検査の場合 76,000円 (税込)]
ERA・EMA・ALICE 168,000円 (税込)
EMA・ALICEのみ 69,000円 (税込)
Th1/Th2検査
良好な胚を4個以上かつ3回以上移植しても妊娠しない場合を「難治性(反復)着床不全」といいます。
その原因の一つとして、母体の受精卵・胎児に対する拒絶反応が強い場合があります。
Th1/Th2検査で、細胞性免疫(Th1)液性免疫(Th2)のバランスを調べ、細胞性免疫が強いと判断される場合は拒絶反応を抑える薬を用い、母体の胎児拒絶を抑えます。
料金
30,400円 (税込)
PFC-FD療法(多血小板血漿、platelet-rich plasma療法)
患者様ご自身の血液から、血小板に含まれる成長因子を抽出して凝縮したものを、子宮内に注入する方法です。血小板由来の成長因子は、細胞の成長をうながす物 質や免疫にかかわる物質を含むため、着床不全が改善される可能性があり、受精卵が着床しやすくなると考えられています。
料金
198,000円 (税込)

プライス

採卵・胚移植の料金について

サンタクルスは夙川、宝塚に分娩施設がございます。よって、不妊治療を行う際は、出産時や出産後のことをトータルに考え、なるべく不妊治療でお金がかからないよう価格設定をしています。

料金表
採卵個数 0~5個 50,000円
6~10個 80,000円
11個以上 100,000円
静脈麻酔 30,000円
胚培養(0~3日目まで) 50,000円
体外受精 30,000円
顕微授精(1個目) 50,000円
顕微(2個目以降) ×( ) 10,000円×( )
胚培養(4日目以降) 30,000円
胚移植 50,000円
孵化補助(AHA) 30,000円
胚凍結 1本目 50,000円
胚凍結2本目以降 ×( ) 30,000円×( )
胚融解 20,000円
精子凍結 1本 20,000円
精子融解 20,000円
土曜日(採卵・胚移植)加算 10,000円
日祝休日(採卵・胚移植)加算 20,000円
  • 価格はすべて税込です。
  • 価格は予告なく変更することがあります。
  • お支払いはクレジットカード払いが可能です。
  • 採卵や胚移植が土曜日になった場合、土曜日加算で1万円がかかります。
  • 通常、日曜祝日は採卵・胚移植は行っておりません。ただし、連休が続いた場合は実施することがあります。その場合、日曜祝日加算で2万円がかかります。

料金例

卵巣刺激から採卵、胚移植までの料金は、患者様によって使用する薬剤、採卵個数、受精方法、凍結本数が異なるため、たいへん個人差がございます。 実際に当院で治療をされた患者様を例に、料金例を紹介していますのでご参照ください。

料金例はこちら

凍結保存更新料について

胚および精子の凍結保存期限は1年です。それ以降も保存を継続される場合は、1年ごとに更新料を頂戴しております。
更新料は、胚は1本あたり3万円、精子は1本あたり1万円です。

ART特典

当院の体外受精・顕微授精で妊娠され、さらに当院の連携病院 (サンタクルス ザ シュクガワ、サンタクルス ザ タカラヅカ)で分娩予約された方には、うれしい特典をご用意しております。

  1. 分娩予約時に必要な3万円が無料になります!
  2. 入院のお部屋をアップグレード! スイートルーム (53万円~)の料金で、サンクチュアリルーム (61万円~)のお部屋にお泊り頂けます。

体外受精Q&A

体外受精をするとしたら1か月にどれくらい通院しなければなりませんか?
自分で排卵誘発剤の注射を打つ「自己注射」を選択して頂くと、通院回数は減ります。例えば、自己注射をして頂き、採卵周期で胚移植をせずに一旦すべての胚を凍結保存したとすると、1か月間の通院回数は5回程度になります。当院では採血や検査はなるべく必要最小限とし、患者様の負担を軽減するよう努めております。
妊娠率はどのくらいですか?
日本産科婦人科学会の統計によると、2015年の体外受精・顕微授精の妊娠率は、新鮮胚移植が20.8%、凍結融解胚移植が33.2%でした。凍結融解胚移植で妊娠率が高いのは、融解胚移植周期の方が子宮内膜の状態を整えやすいという理由と、凍結している胚はもともと良いグレードの胚であるという理由が考えられます。
体外受精や顕微授精をすることで、子が染色体異常や奇形になる可能性はありますか?
体外受精で生まれた子に先天異常がある割合は、自然妊娠で出産した時の割合とほぼ同じです。ただし、重度の乏精子症の精子には染色体異常が含まれている可能性があるので、顕微授精で生まれた子は少しだけ染色体異常が多くなるという報告があります。男の子が生まれた場合は、精子が少ない性質が遺伝する可能性があります。
胚は凍結保存しても問題ないのですか?
胚は凍結保護剤で処理しながら急速に凍結し、液体窒素内で保存するため、長期保存が可能で胚へのダメージはほとんどありません。また、凍結融解胚移植で生まれた子に染色体異常などの先天異常が多いとする報告はありません。

詳しいことは培養士外来でもご説明させていただいております。詳しくはこちら